〜 店に使われている 木の話 〜
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喫茶 大工集団欅(けやき)






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 (なら) こなら(小楢)

ぶな科こなら属

学名 Quercus serrata

分布地は日本全域の山地に生育していて、東北アジアまで広く分布しています。朝鮮の白頭山の山麓にも材質の良い楢があります。楢の南限は九州の高隈山で、それ以北の楢には薄く青色が付いています。
高さ25〜30m、直径は70〜120cmにもなる落葉高木です。
花期は春です。秋になるとユウスゲ(夕萓)やマツムシソウ(松虫草)などが咲き誇る高原の草原に,点々と大きな木が生えています。ロマンチィクですねー。

楢は伐採すると大量の水を噴出すので別名で水楢と呼ばれています。
木材の取引きでは楢と呼びます。

色は概ねくすんだ褐色で柾目材では俗に虎斑(とらふ)と呼ばれる独特の紋様を示します。材は重硬で緻密です。

4〜5月、枝の元部に黄緑色の細い紐状(長さ7センチ位)の雄花が多数垂れ下がります。
雌花は枝の先で目立たない小花を咲かせ、日当たりの良い山に生えます。
実は皆さんもよくご存じの2センチ大の楕円型のドングリです。
吉和村の山では上部の水楢より低地側に生えて、薪やキノコ用材に利用され里山を形成し、樹形も整っています。
秋11月に茶褐色に黄葉しますが、時により急に低温が来た場合は特に紅葉となり美しいものです。水楢も同様に紅葉します。

日本の山の基本木で杉に続き多数生えています。
北海道での分布が特に広く十勝、上川、空知地方で約50%を占めています。
北海道産の楢材といえば、古くはドイツをはじめとしたヨーロッパに高級家具材として輸出され、西洋のオーク材と共に世界に通用するブランドです。高級家具材としても特に北海道産のものは世界に名が通っています。
楢をオークと言われる方がおいでますが、それは間違いです。
家具用材には、中杢のみを使用するためかなり歩留まりが悪く、繰り返される乱伐採により、ほとんど枯渇したと思われています。確かに近年楢の巨木は見られなくなりましたが、過去に伐採され中杢を取った後に残った辺材を貯木していたものがあります。
また硬さがあることから、主に床材としての無垢のフローリング材や化粧単板貼りのフロアー材として広く使われています。

白樫と楢には、導管孔内にチロースと呼ばれる繊維構造があり、ウィスキー等の醸造樽として使用しても液漏れが起こりません。
建築で楢というときは、殆どの場合は水楢のことを指します。

← 当店では、パティオドアの敷居に用い ています。

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虎斑(とらふ)が見えます。