〜 この木は店には使ってありません 〜
ガマズミ
ガマズミは店には使っていませんが、庭にあるガマズミが真っ赤な実を付ける秋になるとお客様から「あの木は何ですか?」とよく聞かれるので、ここに書きます。
とは言っても、私は建築用材の木しか知りません。
そこで信州大学で林学の教授をしている先輩に聞きました。
以下は、彼に教えて貰ったことと、私のガマズミの体験です。
別名 ヨソゾメ
学名 Viburnum dilatum Thunberg
スイカズラ科 ガマズミ属
ガマズミは日本全国に分布する落葉低木です。
萌芽再生力が高いので、コバノガマズミと同様に二次林によく出てくる種ですが、コバノガマズミに比べて降水量の多いやや内陸部に多く出現するそうです。
高さ2〜4mの落葉低木。
葉は対生し、長さ6〜15cmの広卵形。
花は5〜6月に径5mmほどの小白花を花序に多数つけます。
10月に実をつけます。果実は長さ6mmほどの卵状楕円形で、赤く熟し、甘酸っぱく、食べられます。
果実は熟すと果実酒などにも使われます。
和名のガマズミの由来に関しては、よくわからないらしい。
「神つ実」であるという説や、ズミは染めに使用するとの意味であるので、何らかの染色に利用したとの意味ではないかとの見方もあるそうです。
材種名では『莢蓬』ですから、「神つ実」なのでしょうか。
↑花
↑果実
ガマズミの実を採って、焼酎につけるときれいな色の果実酒が出来ます。
先輩から作り方を教えて貰ってガマズミ酒を作ったのですが、お酒を飲まない私は作っただけで、そのままでした。
ガマズミの果実酒は、漬け込んで1年以内なら、ロゼワインのような美しい色を楽しめますが、それ以上時間が経ってひねてしまうと、味はよくなりますが、褪色して褐色となってしまうそうです。
果実酒党には味をとるか、色をとるか、悩むところですね。
↑ ガマズミ酒
これを書くのに久しぶりに出してみたら、3年もたっているのに、色は澄んだ褐色でルビーのようでした。
私は下戸なので友人に進呈したところ、「キリッとした野生の酸味がアルコールとうまい具合に融合しており、これぞ果実酒という味に仕上がっている」と、まるでソムリエのように誉めてくれました。
アルコールを飲めない私はガマズミの実でジャムを作ったことがあります。
上手く出来たので、レシピを書きましょう。
@実をよく洗い、鍋に水を加え熱してやわらかくします。
Aやわらかくなったら、ざるに入れてこします。
B種と果肉を分離して、果肉に砂糖を加え煮詰めます。
・・・こんなレシピでは「そんな事は誰でも知ってるよ!」と叱られますね。
ガマズミ・ジャムはヨーグルトにぴったりです。
私もヨーグルトにかけて食べていました。
寒天やゼリーで固めてもおいしいお菓子が出来るそうですが、私にはそこまではとてもとても・・・・・。