良い家 造ります
梻 タモ (Swanp ash)
モクセイ科。 落葉大高木。
北海道、本州の中部以北に分布しています。とくに北海道の比較的湿地のところに多く産します。本州産はわずかです。サグレンや朝鮮、中国にも産します。
タモは一般的にヤチダモです。
直幹環孔材です。
高さ25m、直径1mにもなります。
心材は淡黄暗褐色で、辺材は淡黄白色。木理通直で強度も大きい。肌目は荒く、根際材などに美しい杢が出ます。
材に傷が少ないので喜ばれる木です。
比重は0.55前後で、やや強く、堅硬材です。
心材の耐久性は中程度です。
切削・加工は中。表面仕上も中です。
構造材として用途が広く、昔はアオダモが適材であったバットの用材としての名声も拡がりました。
タモの若木は材質がトネリコに似て強い材質だからです。
ベニヤにも仕上げ材料として表面材に用いられます。
銘木としては、床廻り材、造作材などに使用されます。
これらのタモは北海道の日高や十勝方面で植林が盛んです。
タモの材質は北に上がるにつれて、糠目物が多くなります。
ロシア産のタモは糠目物が多く、材色も冴えなくなります。
中国産のタモは殆ど北海道産のものとかわりません。
ヤチダモに似た木材に塩地がありますが、ヤチダモは塩地より全体に灰色がかり銀色の輝くような冴えはありませんが、落ち付いたシックな感覚の木材です。
塩地とヤチタモは北がタモ、南が塩地と奇麗に二つに分かれて分布しています。
塩地は栃木県西部以南の本州太平洋岸、及び四国や九州の沢沿いの古生層地域に分布しています。高崎から秩父方面にかけての関東平野を取巻く山脈一帯は、良材が出る産地として知られています。静岡県の水窪にも纏まった蓄積があり天竜川沿いに多く生育しています。塩地は樹高が30m、直径1m位迄になり、枝下の長い直材が多く採れ、針葉樹の様な丸太形状をしています。東北方面には塩地はありませんが、同種のヤチダモをシオジと呼びますので、間違う虞があります。
← 当店では、壁の見切り材(下部の腰板のベイスギと上部の珪藻土との見切り)として使用しました。
(当店のタモは静岡県の天竜産です)
タモの多くは中国から多く輸入していますが、中国では1998年の大洪水でかなりの量の原木が流されてしまいました。
それは今でも木材の市場にも影響を及ぼしているそうです。
また、中国では壊れた家々の再建・復旧に木材を優先的に使用しました。
その為、国外への輸出は控えられているそうで、現在でも日本では手に入りにくくなっています。