さて、今回は皆様にも親しみのある杉をご紹介します。
昔から「高いのも杉、安いのも杉」と言われる木ですが、日本人には最も馴染みのある木です。
↑ 屋久杉 | ↑ 杉の柾目 |
← 左の木は【縄文杉】と名が付けられた屋久杉です。 樹高25.3m 根回り43.0m 胸高周囲16.4m 確認されている太さ最大の屋久杉です。 背が低いずんぐりした樹形は、台風の常襲地帯に育つ屋久杉の特徴をよく表しています。 凹凸の激しい幹は木材に不向きとされ、江戸時代に利用できない巨木として切り残されました。 樹齢7200年という説もありましたが、中心部が空洞になっており、その内側から採取した資料の科学的計測値は2170年位となっています。 生命力に満ちたその姿は圧巻です。 |
← 当店では、秋田の能代杉を天井に鏡板として用いました。 これは帯戸の鏡板にするために用意してあった杉板を天井板としたものです。 帯戸とは周りに漆をかけ、しかも上下に一枚ずつの鏡板を入れた建具です。 現代では制作費が大変高価(約100万円)になるため、あまりご依頼がなくなりました。 もっとも鏡板の変わりにベニヤを入れ、漆の変わりに加州塗りとすれば安いのですが・・・。 当店では左の写真のような天井の鏡板と、玄関横の大きな表札として11枚を用いています。 これだけ大きな芯去りの板を取るには、直径が少なくとも2mはなくてはなりません。 杢目も綺麗でしょ。これが杉の醍醐味ですよね。 |
← キッチンの天井の落とし掛けには京都の北山杉の搾り丸太を用いました。 この丸太は天然の搾りではなく、若木の時にプラスチックの型を巻いて育て凹凸が付いた物です。本来は床柱にする木です。 |
← 左の写真は事務カウンター横の棚板で能登の杉です。 赤みが大変に綺麗な杉で棚板とするには勿体なかったのですが・・・。 第一、杉のような柔らかい木は棚板には合わないのですが・・・。 |
← 当店より約500m金沢寄りに「吉野工芸の里」があります。その奥にご飯を山盛りにしたような樹形の御仏供杉は立っています。 杉の本来の形とはかけ離れ、幹の下から太い枝がたくさん出ている樹形から仏前に供える飯のようということで「御仏供」という名前がついたと言われています。 |